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花も嵐も
12:犬鳥...2005.10.12 Wed
あなたとの恋は、穏やかさとは程遠い嵐――・・・



・花も嵐も・



怖そうな人。
(第一印象
強い人。
(初期印象

――――年寄りみたいな人。
(現在の印象


横暴なのも人の話をきかないのも、もう慣れたけど。

「――・・・だから、其処へ行くならあそこで曲がらなきゃ駄目だって、僕、何度も言いましたよね」

「そうだったか?」

「そうです。何度も何度も、分岐を通る前も通った後も、言いましたよ」

「まぁ間違ったものは仕方がない。戻るぞ」

「もど……って、そっちは森ですよ!?」

「馬鹿か貴様は。来た道を戻るよりも此処を抜けた方が早いに決まっているだろう」

「決まっているだろうって……」

一体何処からその自信が来るんだ、とか。
かつてそう言って何度も道に迷った事を忘れたのか、とか。
そもそも何でそんなに偉そうなのか、とか。
反論が山程ありすぎて、もう何処からつっこんで良いのか分からない。
自分の聞きたい事しか聞かない上に、興味の無い事や都合の悪い事はすぐに忘れる。

――僕、一体この人の何処が良かったんだろう…。

時折真剣に考えてしまう。
こんな、横暴で人の話を聞かない、何を考えてるんだか分からないボケ老人みたいな人。
本当に、何処が良かったのか。

「……自分で自分の趣味が分からない…」

「何か言ったか?」

「……(こういう時だけは聞いてるんだね…)」

考え直すなら今なんじゃないか、とか。
思うことは多いけど。

――結局、離れられないんだよなぁ…。

苦笑する。
最初は勢いと言うか、雰囲気というか。彼独特の強引さに流された感が無いわけではないけれど。
今となっては、こんな人でも一応大事な人で。
やる事なす事無茶苦茶で、穏やかさとは程遠い日常だけど。
それでも、全て愛しい日々。

あなたが居るから。


「ヒビキ?」

「……あなたの事が好きだなぁって、そう言ったんですよ」

「そういう事は聞こえる様に言わなければ意味がないだろう」

「はは…そうだね」

「…まぁいい。行くぞ」

差し出された手に軽く目を見張って、次いで笑ってその手を取る。
分かり辛い不器用な愛情表現が微笑ましくて、繋いだ手の温もりが愛しくて。
本当に、好き。そう呟けば、繋いだ手を強く握ってくれる。
この手があれば、あなたが居てくれれば。
何度道に迷っても、どんなに疲れても。
きっと、何処までも歩いていける。

――姉さんには趣味が悪いって、言われそうだけど。

いつか、自分の大切な片割れに紹介出来ればいい。
この人が、人生を共に歩む人だと。
口では反対しても、きっと彼女なら分かってくれる。
いつになるかは、分からないけれど。

けれど、その前に。

「ムメイさん、そっちは明らかに目的地と逆方向ですよっ!」


まずは、無事に森を抜ける事を考えないと…。





終わる!


ラブ米目指して見事敗退。
多分私はラブ米と言うものを勘違いして覚えている可能性が高い。
姉さん=ミノリちゃん。ウチでは双子設定。
ムッ様の呼び方はミツヒデさんじゃなくムメイさん推奨。
そして方向音痴。
タイトル意味なし。
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一つの願い
幻:坊主...2005.10.04 Tue
貴方が居れば

君さえ居れば


全てを無くしても

他がどうなろうと


構わない…


けれど


それでも…




・一つの願い・




「カナギ…カナ…ねぇ、お願い…お姉ちゃ…って…お姉ちゃんって、呼んで…?」

腕の中で、奪われていく命。
熱を無くしていく義姉を、零れ落ちていく命を、留める術など知らなくて。
何が英雄だ、何が…。
たった一つの命も救えない、そんなちっぽけな自分が英雄?
笑わせるな。
こんな無力な人間を、盟主だ英雄だと祭り上げる連中の気が知れない。
大切な人を失って、立ち止まる事さえ赦されない。
泣く事さえ、出来ない。
そんなものが英雄だというのなら、姉が望むように、自分はただの『カナギ』で良かった。
最期の願いと、分った上で。それでも気丈に大丈夫だと口にする、たった一人の家族を見取る事しか出来ない。
そんな自分が、英雄だなんて…。

「ナナ…お姉ちゃん…」

僕は、貴女が姉で、良かったと。
告げてしまえば、訪れる喪失を、認めてしまうことになるから。
笑顔を、最期まで笑顔を絶やさない貴女に、出来る事と言えば、笑い返す事だけで。
せめて、この瞬間だけは。
今、だけは。
盟主でも、英雄でも無く。
ただの、何処にでも居る、少年として。
貴女の、弟として。
振舞う事は、赦されるだろうか‥。

「カナ…あたしは…あたしは大丈夫…。大丈夫だから…」

「ナナ…?」

「カナは…自分の望むように、生きなさい…。…型に、填る必要は無いの…。あんたは、あんたなんだから。どんな道を選んでも…何を、しても…あたしの…大事な、大事な、たった一人の…弟だよ…」

「…姉‥さん…」

「大丈夫…大丈夫だよ。誰が責めても、何を言われても…あたしだけは、カナの選択を‥生き方を、否定しないから…見守ってる、から…」

幸せになりなさい。
そう告げる少女は、大人の顔で。
血の気の引いた、白い顔に、白い手。
頬に触れる指先は、こんなにも冷たいのに。
心に触れる言葉は、どうして、こんなに…。

「大好きだよ…カナ…。あたしの‥大切な子‥…お願い‥します、ね…とーが‥さん…」

「承知した‥」

「‥トウガさん‥?」

義姉の視線の先、自分の背後に立つ人に、今更気付く。
何時の間に、そこに居たのだろう。
気付けなかった自分に、驚いて。
力ない義姉の指に代わり、その指がゆっくりと頬を拭う、その行為の意味を考えて、やっと。

「カナは意外に泣き虫だからね‥俺がしっかり、守るよ」

「ふふ‥良かった…」

自分が、涙を流している事に気付いた。

「この子ったら…自分が泣いている事にも‥気付けないの…あぶなっかしくて…放っておけない、でしょ…?」

「ナナミ、もう…」

それ以上は。
傷に障ると、止めようとした彼らの幼馴染を、視線で止める。
今しか告げられない。だから、彼女も、無理を押して言葉を紡いでいるのだ。
それが分っているから、カナギも何も言わずに聞いている。
分るだろう?と。
言葉に出さずに、告げて。
軍を引かせると去っていく背中を、最後まで見送らずに視線を二人に戻す。

「ありがと…とーがさん…」

「いや…他に、何か‥?」

「そ…だなぁ…。ね、カナ…最期に、約束して…。自分の、心に‥素直に生きなさいね…。カナの人生なんだから…周りに、合せちゃだめ…よ…?あんたが選んだものは…間違って無い……離しちゃ、駄目だからね…」

母の様な、子だと思う。
自分の命が消えていく事を知りながら、それでも、気丈に、ただ弟の事だけを案じ、その幸せを願う。
強い、少女だ。

「ジョウイには…あたしが謝っておいて、あげる…だから…安心して、その手を掴んで‥なさい…」

「ナナミ…知って…?」

「…ばかね…あたしは…カナのお姉ちゃん‥だよ‥?」

考えてる事位、分るわ。
そう、綺麗に微笑む少女は、何も知らない風に振舞いながら、自分の浅ましい願いも、カナギの決意も、知っていたと言外に告げて笑う。
知って居て尚、その選択は間違って居ないと。

「とーがさん…ありがと‥ございます…。もう、だいじょうぶ…言いたい事は、ぜんぶ…」

「…良いのかい?…後、少しくらいなら…」

「いいん、です…もうじゅうぶん…これ以上は…未練がのこっちゃう‥」

「ナナミ…?」

「カナ…強く、生きる事も大事だけど…時々は、休まなきゃ…だめよ……しあわせ‥に、ね…」

淡く笑って伸ばされた小さな手を、カナギがそっと掴む。
触れる事を恐れるように。
消え行く命を離すまいとするように。
祈るように、両手で包み込む。
それは、とても神聖な光景に思えた。
触れ合い、言葉にせずに最期の別れを交わす。
絆の深い二人だからこそ、そこにある静寂は痛い程綺麗で、哀しい。

そんな二人から、そっと一歩退いて。
目を閉じて、右手から力を抜く。
長引かせれば、それだけ彼女の苦痛も長くなるということ。
僅かな時は作れても、痛みが消せるわけではない。
自分に出来るのは、姉弟の別れの時を延ばすことだけ。
零れ落ちる命の速度を緩めることは出来ても、止める事は出来ない。

――結局、僕は無力だ…。

それでも。
少しは。ほんの少し位は、二人を救えただろうか。
力なく腕を落とした少女の寝顔は安らかで。
それを見つめる少年の横顔は、哀しみに彩られながらも穏やかで。
そこに、悲壮な空気はない。
その事に安堵する自分は、結局。二人を救う事で、自分も救われたかっただけなのかもしれないけれど。

「………トウガさん」

「何だい…?」

「有難う、御座いました…最期に、ちゃんと話、させて下さって」

「いや…」

泣き笑いの顔で言うカナギに、緩く首を振る。
ただの自己満足に、礼を言う必要はないと。
空けて居た距離を静かにつめて、そっと頭を自分の胸に引き寄せる。
人前でなけない少年が、泣けるように。
喪失は、どんな形であれ哀しい。
それが、大切な者であれば尚更。

過去の傷が、じくりと疼いて。抱き寄せる腕に力を込める。
静かに泣きながらしがみ付く少年の背を撫でながら、痛みに、一粒だけ涙を零した。



互いさえ居れば、他は何も要らないと切り捨てながら。
けれど、痛まない訳じゃない。
近しい相手を亡くすのは、いつだって痛い。

完全に切り捨てられる程、強くもなくて。

望むのは一人だけ。

何を捨てても欲しいのは、たった一人。

けれど。

でも。


こんな形で、失くしたかった訳じゃない。


関わる事がなくとも、幸せで居て欲しかった人達。


生きて、いて欲しかった・・・・。






おわったれ。


随分昔に書きかけてたのを見つけて、仕上げてみようなんて思ったものの、意味不明っぷりに拍車をかける結果に…。
いつものことですが、死にそうな人間はこんなに喋れないよなぁと、そんなセルフ突っ込みを入れながら書いてました。
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