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その炎を飛び越えて
O:黄赤...2005.07.16 Sat
こっちへ来いと手招く人。
強くて、眩しくて。
その手を取ってしまえば、決して優しくない世界へ連れて行かれる事は分かっていて。
戸惑う僕に、怖いのかと問う金色。
そうかも知れないと返せば、強引に腕をつかまれる。
生身の手は熱くて、くらりと眩暈がした。

「俺には怖いもんなんて何もねぇ。何があっても蹴散らしてやる。
だからお前は何も考えずに安心して俺の傍に居れば良い」

強気な台詞。
絶対的な自信。
真直ぐな瞳に鼓動が跳ねて、けれどゆるりと首を振る。

「それでも・・・僕は、怖い・・・」

他でもない、貴方のその強さが。
恐れを知らないその強さが、いつか、あなた自身を奪ってしまいそうで。
此処から飛び出して、傍に行けば、その存在無しでは生きていけなくなってしまうであろう自分に気付いている。
そうなってしまう事が、酷く恐ろしくて。
その手を取れば、もう後戻りは出来ない。
今以上の強引さで絡め取られて、貴方に堕ちて行くんだ。
そして貴方無しでは居られなくなった時、もし、万が一。
貴方という存在を失ってしまったら・・・。

貴方の強さは諸刃の剣。
何も恐れないという事は、きっと、死ぬ事すら恐れない・・・。
自分を守る為に命すら惜しまないであろう貴方のその真直ぐな想いが、僕には何より怖い。
自分のせいで、貴方を失うかもしれない。
そう考えるだけで、足元からひんやりとしたものが這い上がって来る。
今以上に貴方に堕ちてしまったら、僕はどうなってしまうか分からない。
貴方との事は未知の事ばかりで。
何が起こるか分からない。
悪い予感ばかりが頭を過ぎる。
それら全てが怖くて怖くて仕方が無いのに。
それなのに・・・・。

「フィール」

力強い、けれど何処か優しい貴方の声。
含まれる甘い響きに、くらりくらりと眩暈がする。
怖くて怖くて仕方が無い貴方とのこれからの全て。
けれど、その声で名前を呼ばれると抗えない・・・否、抗いたくない自分が居る。
失う怖さと手に入れたい欲はつり合ってしまって、身動きが取れない。
だから。
ねぇ、だから。

「・・・・レオ・・ン・・・。僕は、どうすれば良いか分からないんだ・・・」

だから、貴方のその強引さで、奪い尽くしてくれないか。
逃げる事も、その手を取る事も出来ない自分を。
僕の前にある不安の炎の壁を獅子の様に飛び越えて、逃げ様も無い知らない場所へ、どうか連れ去って・・・。





自作御題:乱雑20題使用
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