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天落紗雨
幻:坊主...2005.09.15 Thu
外は雨。
雨の日は、あの人には会えない・・・。


・天落紗雨・


別れの日は空が嘆くように雨を降らすのだと、そう聞いたのはいつだったか。
目の前の現実が遠くて、逆に、過去をすぐ側に感じる。
時の流れに置いて行かれるというのは、こういう感覚なのだろうか。
そんな事をぼんやりと・・・、本当に、ぼんやりと考える。
頭が飽和状態なのかもしれない。
色んな事が一気に押し寄せすぎて。
悲しい事が、あり過ぎて・・・。

目の前で憤ってくれた人、涙を流して悲しんでくれた人、力不足に頭を垂れた人。
それら全てが遠くて、一人になって触れた頬は氷のように冷たくて。
その冷たさだけが、リアルで。
感情が追い付かない。
叫びたいのかもしれないし、きっと泣きたいのに。
追い付かない、動けない。
せめて、涙だけでも流せたなら。
一人往く、君の為に泣けたなら良かったのに。

喪失は、この心に受け止めきれない程、大きすぎて。
これ以上はもう、何も受け止められない。
自分はそんなに器のでかい人間じゃない。
たった一人の家族の死に、泣き方すら忘れてしまう程、ちっぽけな人間なんだ。
自分だけじゃない。
そう言い聞かせたところで、変わるものじゃない事を知る。
何も変わらない。
この悲しみも、悔しさも、やるせなさも。
君が居なくなった、その事実でさえ。

何も、変わらずに世界は回っていく。

何がおこっても、誰が命果てても。
世界という大きな流れを妨げる事は無い。
それが、どんなに自分にとって大事な人でも。
変わることなく、緩やかに流れていく。

あの人も、その緩やかな流れの中に居るのだろうか。
人の世と関わる事を厭い、何処か達観したように世界を見る人。
時折、空虚な目をする人。

無性に今、あの人に会いたい・・・。

弱い自分を笑って欲しいのかもしれない。
情け無い自分を叱り飛ばして欲しい。
出来ることなら、その腕で抱きしめて欲しい。

けれど外は雨。
此方から出向かない限り、あの人が此処へ来る可能性はゼロに近い。
ならば自分から行けばいい。
でも、今此処を離れる事は出来ない。
義姉の死んだ日に、原因を作った自分が、側を離れる事なんて・・・。

苦しい。
泣けない事が苦しい。
義姉がいない事が悲しい。
貴方に会えないのが辛い。
こんな時ですら、自分の事しか考えられない自分が、堪らなく情け無い。

「御免ね・・ナナ」

純粋に、君の死だけを悼めれば良いのに・・。
もう何も語らない義姉の頬を何度も撫でる。
冷たい肌、死の匂い。
認めたく無いのに、突き付けられる現実。
泣けない自分。

壊れて、しまいそうだ・・・。

立っている場所すら曖昧で、何もかもが遠くて。
過去と、死だけが近い。
支えてくれる手は無くて。
それを望むことすら、そもそもおこがましくて。

ふらりと、外へ出る。
いつもは賑やかな此処も、今日はしんと静まり返っている。
聞こえるのは、微かな雨音だけ。

天を仰ぐ。

降り続ける紗の様な雨は、泣けない自分の頬を濡らしていく。
死者を悼む涙なのか、自分を戒める壁なのか。
雨は、止む気配を見せない。



雨は紗の様に天から落ちて

立ち尽くす僕を、静かに包み込む








そうして、僕は一つの決意をする。







・END・



天落紗雨は私の造語です。
相変わらず意味がわからない内容・・・orz
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