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短文。
題/短文...2005.11.18 Fri
自作お題:吐き出す10の言の葉(9文字10WORD)使用。
ジャンルは色々。
消化済⇒(オリジナル)(??)(鋼錬)(リボーン)(逆裁)(Twelve)(隠王)(幻水)
未消化⇒9.10
※消化済一覧の番号クリックで同じ数字の題に飛べます。


1.敵だらけのこの世界 【オリジナル】2005.11.08

誰も信じない、そう言った眼差しは強く。
遠くを睨む横顔は、とても、哀しい。
世界は敵で溢れていて、味方なんて自分自身以外には居ないのだと、そう、君は言う。
そう、哀しい事を、口癖のように。
かける言葉もなく俯く僕は、本当は、君に言いたくて。
僕は、それでも僕は。
例え世界が敵だとしても、僕だけは君の味方でありたいと。
言いたいのに、言えない。
臆病な僕は、綺麗事だと笑われる事が怖くて、結局黙るしかない。
こんなに弱くては、君を守るなんて出来やしない。
僕には誰も守れない。
自分すら、守れない。
それが酷く哀しくて、悔しくて。
噛み締めた唇は、錆びた鉄の味がした。



2.欲しいと強く望む心 【????】2005.11.08

ソレが欲しいと思った。

穏やかに笑う、その全てを奪い尽くしたくなる程に。
強く、強く。
惹かれる、心。

優しい愛しかたなんて知らない。
乱暴に奪う事しか、自分は知らない。

手に入れたい。

けれど、それは駄目だと何処かから聞こえる声。
壊しては、いけないと。

大事にする方法なんて知らない。
どうすれば優しく出来るかなんて知らない。

だから、決めた。

手に入らなくてもいい、触れずに居る事を。



3.まどろみの中の永遠 【映画設定焔鋼】2005.11.14

夢の中でだけ、貴方に会える。

変わらない笑顔で、変わらない声で。
優しい手で触れて、名前を呼ぶ。
それは、切ない痛みを伴う刹那の幸福。

夢の中でだけ、貴方に会える。
夢の中でしか、貴方に会えない。

永遠ならいいのにと、苦く、思う。
それでは再び出会える可能性が消えてしまうよと、貴方の幻影が微笑む。
夢の中なのに、優しくないなと呟いて、それでも、それでこそ、この人だと思って。
目覚めを促す声に、別れの時間に、そっと、指先に触れる。
いつか、必ず。
夢ではなく、現で、と。

誓う
願う
切に
必ず、再び出会おうと。

それは、まどろみの中で交わした永遠の約束。



4.突き付けた銃口の先 【リボーン10年後設定獄ツナ】2005.11.14

乾いた音が響く。
呆気無い最期。
本当に呆気なく、トリガーに掛けた指先を引くだけで命は消えた。
命乞いの声は遠く、耳をすり抜けて。
飛び散った鮮やかな赤が、どす黒くなって心の底に沈殿する。

――汚れてしまった。

ただ、それだけをぼんやりと思った。

他に何も、思わない。
心は凍りついたように動かない。
目の前で、一つの命が消えたというのに。
この手で、ソレを奪ったというのに。

もう、何も、思えない。


ねぇ。


キミの目には、こんなオレはどう映るのかな。

今、君に酷く会いたくて、そして、君に会うことが、酷く恐ろしい。



5.僕の光はもう居ない 【逆裁】2005.11.14

ボクの目指したもの、追いかけたもの。
救えたと思った、けれど、それは傲慢だったと思い知らされた。
結局、ボクのこの手は君には届かず、詰めたと思った距離は、永遠に離されたまま。

泣く事すら出来なかった。
君を罵る言葉すら出ずに。
ただ、ただ。
自分を嘲って、哂った。

こんなものだ。
所詮、この想いは届かない。
自分のしたことは、君を追い詰めただけ。
空回りにも、程がある。

「馬鹿だ…ボクは…」

冷たい床に座り込んで、込み上げる哂いに顔を覆った。


ボクの光は、もういない。

自分自身の手で、消してしまった―…。



6.泡沫に消えたおもい 【Twelve:犬鳥前提兎→鳥】2005.11.18

好きだと言えないまま、手を振った。
名前を呼んだ自分に、振り返った貴方の笑顔が、綺麗だったから。
幸せそうに、幸せそうに笑う人。
何を考えているか分からない人の傍で、とても、幸せそうに笑うから。
自分の居場所は、貴方の隣には無いのだと、思い知らされて。
言えないまま、俯いて唇をかんで。
心配はさせたくなかったから、顔を上げて笑った。
追い掛けたい気持ちが無いわけじゃない、けれど。自分には、護らなければいけない人がいる。
そして、貴方には、あの人がいる。
どうにもなら無い現実も、気持ちも、とても苦しくて、痛い。
でも、貴方が幸せそうに笑うから。
だから、それで、いいと思った。
貴方が幸せなら、それでいい。
本当は、自分が幸せにしたかった。
自分に、その笑顔を向けて欲しかった。
でも、気付いたときには遅くて。
臆病で手を伸ばせなかった自分と、迷わずに手を伸ばしたあの人。
困ったように、けれど、嬉しそうに。
伸ばされた手をとった貴方。
選んだのは、他でもない、貴方だから。
だから、仕方が無いと自分に言い聞かせて。
本当は、あの人の何処が良いのか、全然分からないけれど。
本当に、全然、全くこれっぽっちも分からないけれど。
貴方が幸せなら、それでいい。

好きでした、誰よりも、ずっとずっと、本当に。

言えなかった言葉を、その姿が見えなくなってから、呟く。
誰にも聞こえない、届かない、最後の告白。


告げることの無かった淡い恋心は、朝霧の中で泡のように弾けて消えた。



7.暗闇に囚われた両目 【隠王:壬→宵】2005.11.18

僕は生きていない。

そう言う彼の瞳を見るのが嫌で、その言葉を聞きたくなくて。
言わせないと、無理やりその唇を塞いだ。

死ぬのが怖くないなんて言うな。
それじゃあ、この俺はどうなるの。
君が生きてないというのなら、その君に心を囚われた俺はどうなる?

最初に感じたのは恐怖。
逃げられない強さに、恐れを抱いた。
それは人間の本能。
次に抱いたのは、怒り、だったのかもしれない。
誰にも興味が無い振りをしていたって、所詮、それは振りで。
近しい人を傷付けられて、怒りを感じない人間なんて、早々居ない。
俺は、確かに恐れ、憤って居た筈で。
なのに、気付いたらその姿から目が離せなくなっていた。
得体の知れない相手に対する警戒からではなく、もっと、違う感情から。

漆黒の、闇のような君を目が追う。
人混みの中で、無意識にその姿を探してしまう。

会いたいと、そう、思ってしまう。

何事にも無関心を心がけていた俺が、
こんなにも、君に囚われているのに。
その君が、自分の存在を無かった事にしたいなんて、許されると思うの?

唇を離して、何をされたのか分からないという顔をしている相手に、暗く笑う。
悩めばいい。
もっと、俺のことでその心を埋め尽くして。
死んでも良いなんて、いえない位、俺に囚われて。

好きだなんて、言わないよ。

君が、この俺の闇に囚われて、逃げられなくなるまで――…。

壬晴の性格が違いすぎるヨ…orz


8.痛みがもたらすもの 【幻水:赤毛】2005.11.18

痛むのは、幼い心。
遠い昔に切り離した筈の、幼い心が痛いと泣く。


意地っ張りね、あなたは。

師の言葉に、鼻を鳴らす。
そんなんじゃない、そう言えば、素直じゃないんだからと返されて。
違うと言う。
関係ないと繰り返す。
アイツはもう、居ないと。
俺の兄貴だったアイツはもう死んでしまって、向こうに居るのは、もう、血の繋がりも何も無い赤の他人だと。
繰り返す。
言い聞かせる。

誰に?

キリリと、胸が痛む。
痛む筈なんて、無いのに。
そんなものは、当の昔に捨ててきたのに。
アイツが俺を捨てた、その時に。
兄を慕う幼い心は、殺した筈なのに。

忘れて、しまわないと。
暖かい記憶なんて。
優しかった誰かの、温かい手の感触なんて。
抱いていた想いも、何もかも。
全て、消してしまわないと。


痛くて、痛くて。

きっと、息が出来なくなる――…。




9.錆付いた扉を壊して


10.口先だけの脆い約束
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