ジャンルは色々。
消化済⇒1(オリジナル).2(??).3(鋼錬).4(リボーン).5(逆裁).6(Twelve).7(隠王).8(幻水)
未消化⇒9.10
※消化済一覧の番号クリックで同じ数字の題に飛べます。
1.敵だらけのこの世界 【オリジナル】2005.11.08
誰も信じない、そう言った眼差しは強く。
遠くを睨む横顔は、とても、哀しい。
世界は敵で溢れていて、味方なんて自分自身以外には居ないのだと、そう、君は言う。
そう、哀しい事を、口癖のように。
かける言葉もなく俯く僕は、本当は、君に言いたくて。
僕は、それでも僕は。
例え世界が敵だとしても、僕だけは君の味方でありたいと。
言いたいのに、言えない。
臆病な僕は、綺麗事だと笑われる事が怖くて、結局黙るしかない。
こんなに弱くては、君を守るなんて出来やしない。
僕には誰も守れない。
自分すら、守れない。
それが酷く哀しくて、悔しくて。
噛み締めた唇は、錆びた鉄の味がした。
△
2.欲しいと強く望む心 【????】2005.11.08
ソレが欲しいと思った。
穏やかに笑う、その全てを奪い尽くしたくなる程に。
強く、強く。
惹かれる、心。
優しい愛しかたなんて知らない。
乱暴に奪う事しか、自分は知らない。
手に入れたい。
けれど、それは駄目だと何処かから聞こえる声。
壊しては、いけないと。
大事にする方法なんて知らない。
どうすれば優しく出来るかなんて知らない。
だから、決めた。
手に入らなくてもいい、触れずに居る事を。
△
3.まどろみの中の永遠 【映画設定焔鋼】2005.11.14
夢の中でだけ、貴方に会える。
変わらない笑顔で、変わらない声で。
優しい手で触れて、名前を呼ぶ。
それは、切ない痛みを伴う刹那の幸福。
夢の中でだけ、貴方に会える。
夢の中でしか、貴方に会えない。
永遠ならいいのにと、苦く、思う。
それでは再び出会える可能性が消えてしまうよと、貴方の幻影が微笑む。
夢の中なのに、優しくないなと呟いて、それでも、それでこそ、この人だと思って。
目覚めを促す声に、別れの時間に、そっと、指先に触れる。
いつか、必ず。
夢ではなく、現で、と。
誓う
願う
切に
必ず、再び出会おうと。
それは、まどろみの中で交わした永遠の約束。
△
4.突き付けた銃口の先 【リボーン10年後設定獄ツナ】2005.11.14
乾いた音が響く。
呆気無い最期。
本当に呆気なく、トリガーに掛けた指先を引くだけで命は消えた。
命乞いの声は遠く、耳をすり抜けて。
飛び散った鮮やかな赤が、どす黒くなって心の底に沈殿する。
――汚れてしまった。
ただ、それだけをぼんやりと思った。
他に何も、思わない。
心は凍りついたように動かない。
目の前で、一つの命が消えたというのに。
この手で、ソレを奪ったというのに。
もう、何も、思えない。
ねぇ。
キミの目には、こんなオレはどう映るのかな。
今、君に酷く会いたくて、そして、君に会うことが、酷く恐ろしい。
△
5.僕の光はもう居ない 【逆裁】2005.11.14
ボクの目指したもの、追いかけたもの。
救えたと思った、けれど、それは傲慢だったと思い知らされた。
結局、ボクのこの手は君には届かず、詰めたと思った距離は、永遠に離されたまま。
泣く事すら出来なかった。
君を罵る言葉すら出ずに。
ただ、ただ。
自分を嘲って、哂った。
こんなものだ。
所詮、この想いは届かない。
自分のしたことは、君を追い詰めただけ。
空回りにも、程がある。
「馬鹿だ…ボクは…」
冷たい床に座り込んで、込み上げる哂いに顔を覆った。
ボクの光は、もういない。
自分自身の手で、消してしまった―…。
△
6.泡沫に消えたおもい 【Twelve:犬鳥前提兎→鳥】2005.11.18
好きだと言えないまま、手を振った。
名前を呼んだ自分に、振り返った貴方の笑顔が、綺麗だったから。
幸せそうに、幸せそうに笑う人。
何を考えているか分からない人の傍で、とても、幸せそうに笑うから。
自分の居場所は、貴方の隣には無いのだと、思い知らされて。
言えないまま、俯いて唇をかんで。
心配はさせたくなかったから、顔を上げて笑った。
追い掛けたい気持ちが無いわけじゃない、けれど。自分には、護らなければいけない人がいる。
そして、貴方には、あの人がいる。
どうにもなら無い現実も、気持ちも、とても苦しくて、痛い。
でも、貴方が幸せそうに笑うから。
だから、それで、いいと思った。
貴方が幸せなら、それでいい。
本当は、自分が幸せにしたかった。
自分に、その笑顔を向けて欲しかった。
でも、気付いたときには遅くて。
臆病で手を伸ばせなかった自分と、迷わずに手を伸ばしたあの人。
困ったように、けれど、嬉しそうに。
伸ばされた手をとった貴方。
選んだのは、他でもない、貴方だから。
だから、仕方が無いと自分に言い聞かせて。
本当は、あの人の何処が良いのか、全然分からないけれど。
本当に、全然、全くこれっぽっちも分からないけれど。
貴方が幸せなら、それでいい。
好きでした、誰よりも、ずっとずっと、本当に。
言えなかった言葉を、その姿が見えなくなってから、呟く。
誰にも聞こえない、届かない、最後の告白。
告げることの無かった淡い恋心は、朝霧の中で泡のように弾けて消えた。
△
7.暗闇に囚われた両目 【隠王:壬→宵】2005.11.18
僕は生きていない。
そう言う彼の瞳を見るのが嫌で、その言葉を聞きたくなくて。
言わせないと、無理やりその唇を塞いだ。
死ぬのが怖くないなんて言うな。
それじゃあ、この俺はどうなるの。
君が生きてないというのなら、その君に心を囚われた俺はどうなる?
最初に感じたのは恐怖。
逃げられない強さに、恐れを抱いた。
それは人間の本能。
次に抱いたのは、怒り、だったのかもしれない。
誰にも興味が無い振りをしていたって、所詮、それは振りで。
近しい人を傷付けられて、怒りを感じない人間なんて、早々居ない。
俺は、確かに恐れ、憤って居た筈で。
なのに、気付いたらその姿から目が離せなくなっていた。
得体の知れない相手に対する警戒からではなく、もっと、違う感情から。
漆黒の、闇のような君を目が追う。
人混みの中で、無意識にその姿を探してしまう。
会いたいと、そう、思ってしまう。
何事にも無関心を心がけていた俺が、
こんなにも、君に囚われているのに。
その君が、自分の存在を無かった事にしたいなんて、許されると思うの?
唇を離して、何をされたのか分からないという顔をしている相手に、暗く笑う。
悩めばいい。
もっと、俺のことでその心を埋め尽くして。
死んでも良いなんて、いえない位、俺に囚われて。
好きだなんて、言わないよ。
君が、この俺の闇に囚われて、逃げられなくなるまで――…。
壬晴の性格が違いすぎるヨ…orz
△
8.痛みがもたらすもの 【幻水:赤毛】2005.11.18
痛むのは、幼い心。
遠い昔に切り離した筈の、幼い心が痛いと泣く。
意地っ張りね、あなたは。
師の言葉に、鼻を鳴らす。
そんなんじゃない、そう言えば、素直じゃないんだからと返されて。
違うと言う。
関係ないと繰り返す。
アイツはもう、居ないと。
俺の兄貴だったアイツはもう死んでしまって、向こうに居るのは、もう、血の繋がりも何も無い赤の他人だと。
繰り返す。
言い聞かせる。
誰に?
キリリと、胸が痛む。
痛む筈なんて、無いのに。
そんなものは、当の昔に捨ててきたのに。
アイツが俺を捨てた、その時に。
兄を慕う幼い心は、殺した筈なのに。
忘れて、しまわないと。
暖かい記憶なんて。
優しかった誰かの、温かい手の感触なんて。
抱いていた想いも、何もかも。
全て、消してしまわないと。
痛くて、痛くて。
きっと、息が出来なくなる――…。
△
9.錆付いた扉を壊して
10.口先だけの脆い約束
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